常陸野珍道中

旅行の記録をしていきます。更新頻度はカスです。

【2019年 春旅】0日目〜1日目

初手から4か月も失踪するとは....。

今回は2019年の春に行った西日本への遠征をネタにしようと思います。

初回で手探りかつ駄文ではありますが、お付き合いいただけると幸いです。

 

意味あるかわかりませんけど目次も置いておきましょう。

 

はじまり

2019年、2月

 

その時、私の中の悪魔が囁いたのです。

「別に18きっぷって2枚使ったっていいじゃん」

と。

青春18きっぷ・・・1枚につき1万2千円ちょっと課金することで、5日間全国のJRの普通列車がタダで乗り放題になる魔法の紙のこと。5人で1日、という使い方もできるよ!

 

高校生活も終わったことだし、作れる時間が未知数の大学に飛ばされる前にどこかに1人で、とは思っていたこの頃。孤独こそは救済でありオアシスであり頂なのは世間の常識ですし。

 

問題になるのは当然予算と場所と期間。

1人で旅館で1泊なんてしてもつまらないし、折角自分だけなのに新幹線や飛行機を使うのも芸がない。そもそも旅館に長期間滞在したり新幹線や飛行機で往復できるほど懐事情はよろしくない。

 

10日ほどでできるだけ遠くへ安く。好きなように動ける。

答えが出るのに時間はかかりませんでした。

 

使うのは青春18きっぷ

行き先は九州。

線路で行ける最南端を目指して。

そして2週間程度になる旅程や宿泊先をしっかりと決め...............ませんでした。

 

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18きっぷ放浪における最大の友、時刻表くん

夜行列車という選択肢

理由はもちろん、面倒くs折角そこそこ長期の旅行になるのに時間に縛られたくなかったから。途中できっぷが切れればまた買い足せばいいし、夜に着いた街に泊まればいっかくらいのノリでした。

 

ただ、軸は決めていました。

ムーンライトながら

ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

国内において当時片手で数えられる程まで数を減らしていた夜行列車です。寝台車ですらありません。青春18きっぷを使って西へ向かう場合、こやつの指定席を取れるか取れないかで動き方が大きく変わってくるのです。

 

ムーンライトながら・・・520円課金すると岐阜の大垣に早朝に着くことができる列車。18きっぱーならば知らぬ者はおらず、基本的に指定席を押さえるのは極めて困難。貧乏旅行者御用達。走るスラム街。

青春18きっぷの仕様として「0時から使用開始」となるため、日付変更駅の小田原までの乗車券を別途買っておくと初日が小田原から使える。朝8時の時点で京都入りできることを考えれば破格中の破格だろう。

 

2021年3月をもって正式に廃止されました。とてもかなしい。

 

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結論から申しますと、いわゆる「1か月前10時打ち」にて3月16日深夜に東京を発つ列車の確保に成功しました。やったね!

 

0日目、出立

時は流れ、卒業式も終えた3月16日の夜更け。地元で先輩に麺をご馳走になったのち一度帰宅、出発の確認をしたのち、実家を発ちました。

目指すは東京駅........とはいかず、開始早々事件が起きます。幸先が悪すぎる。

 

当時の家から東京駅に連絡する路線が大幅に遅れていたのです。これはまずい。例によってそんな時間に余裕は持たせてないし、ムーンライトに乗れないと時間的に家に引き返すしかありません。

 

そこでとった手段は私鉄から山手線ターミナルへのワープ。運よく私鉄が私の利用していた駅には乗り入れており、それを使って山手線へアクセスして東京駅を目指すというものでした。ただそこでまた問題が。

ゑ?東京駅の出発時刻間に合わなくね?

 そうです。本来とるはずだったルートは東京駅への最短ルート。それを失い、かつ迂回するとなると時間的余裕はほぼ0、むしろマイナスでした。だからいつも早めに行動しろと言っているのに。

 

そこでまた一計を案じることに。ムーンライトながら号は東京を出ると次は品川に停車します。ここしかない。品川に一か八か飛ぼう。

 

 

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ま、間に合った...。

一世一代の大バクシンをかましました。

googleフォトにて。ムーンライト号の東京駅発車は23時10分、品川駅23時18分。

この写真の撮影時刻は23時13分。どれだけ崖っぷちだったかがわかりますね...。

東京駅に馬鹿正直に向かっていたら間違いなく乗れませんでした。おそらくこの旅行最大のファインプレーでしょう。

 

(22時の寝台特急なら新幹線で追えますが、23時を超えてしまうと新幹線の終電も終わっているため完全終了だったわけです)

 

文字通り紆余曲折ありましたが無事に乗車。一路西を目指します。

 

1日目(ムーンライト→ジャンボフェリー)

 

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走るスラム街の車内です。当然ながら満席、国鉄時代のオンボロ座席になにもかも手動の扉、古いモーターの唸る轟音に開く窓...。これをゴホービと捉えるか地獄と捉えるかは人それぞれでしょう。私はこういう限界感が大好きでした。

そもそも現代の若者にとっては「固い座席車で移動しながら夜を明かす」という行為そのものが新鮮ですよね。

 

ムーンライトは眠れないという声もよく聞かれますが(古い車両なので実際かなりうるさい)、私は即落ちでした。熱海を過ぎる頃には力尽きていた気がします。

 

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目覚めるとそこは名古屋でした。岐阜市の向こう、終点の大垣まであと40分ほどです。

静岡地獄と称される東海道線屈指の難関を、オンボロとはいえリクライニングシートで移動できるのですからやはりムーンライトは偉大です。

 

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終着、岐阜県大垣駅に着きました。一部では有名な大垣ダッシュが絶賛開催中です。いや右端の人の疾走感すごいですね。

 

大垣ダッシュとは・・・大垣駅から米原駅への普通列車の着席権を賭けた壮絶な戦い。たかが30分そこらで米原に着けるので立っててもいいじゃんとか思ってしまう。

 

大垣とは言わず米原まで行ってくれればすんごい楽なのにな...。

 

ちなみにこの普通列車、当日はいつもより長い編成で運転されていたようで、チンタラ歩いていた私も余裕で座れました。

 

京都へ

大垣から滋賀県米原に抜け、ゲロ混みの新快速を1本見送ります。次の新快速まで自販機のアイスでも食べながら待っていた記憶。

 

20分後、次なる新快速が来たのでこれに乗車。京都へ向かいます。

8時前に京都入り。シンカンセン風情にこの芸当は到底マネできません。なお高速バス

 

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京都では部活時代の先輩がこんなクソ早い時間から会いに来てくれました。お茶を飲んだりお昼ご飯をご馳走になったり。これは嬉しかったですね。

 

大阪へ

先輩のもとを辞して大阪へ。梅田ダンジョンをひとしきり満喫します。

※梅田ダンジョンとは・・・JR大阪駅、各私鉄梅田駅の地下に広がる果てしない迷宮。一度入ったら出られないとも。大阪駅で「梅田に行きたいんですが」と尋ねるとまず間違いなく「ここが梅田や」と返される。実際そう。そもそも現地人ですら迷う。

ちなみに行く度に動線が変わるし気が付くとさっきと同じ場所にいたりする。こわ。

 

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大都会大阪のキタの中心とは思えない閑散ぶり。大阪駅のリニューアルや再開発で次々にピカピカの建物が雨後の筍の如く建てられていく中にもこんな場所が。

1980年代より、ここから見た景色は変わっていないのでしょう。

 

今度は兵庫の友人とお茶を飲み、梅田ダンジョンの一角で夕飯を一緒に。

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個人情報が写っていたので雑加工にて失礼。

 

本日の夜

さて大阪で夜を迎えました。当然ながら宿なんて予約していません。これから考えるのです。

この時、いくつかの案が頭にありました。

①大阪、京都のビジホ・ゲストハウスに投宿、翌朝は山陰本線を福知山、鳥取方面へ抜けて山陰道から九州へ(山陰ルート)

②大阪に投宿、翌朝は山陽本線を岡山、広島方面へ。呉など寄りつつ九州へ(山陽ルート)

③宿代はケチり、夜行フェリーで高松へ。始発に乗って四国を横断し八幡浜から九州へ(四国ルート)

 

さあ択です。

ぶっちゃけ京都に戻るのが億劫。ただ山陰の海や沿線は魅力的。

正直一番手間と頭を使わない。しかし通った回数が飛びぬけて多いので除外か。

一番手間がかかるし四国に入った後が不透明。ただロマンはダントツ、宿泊費もかからない。

 

結局のところ、今後の財政状況を考えて③の四国ルートを選択し、山陰ルートを第2候補としました。第2候補は帰途に使えばいいわけです。

 

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そうと決まれば速やかに移動。兵庫県は三ノ宮にやってきました。

 

四国に抜けるために使うのは神戸を深夜に発って高松に早朝に着くジャンボフェリー。

2夜連続でまともな布団で寝られませんが、懐に腹は代えられません。

 

いつも利用している三宮駅前のマクドナルドで時間を潰し、フェリーターミナルへ。

バスがあるようですが、桟敷とコンセントを確保するために一足先に港へ向かいます。

 

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綺麗に整備されていながらも人気のない道をとぼとぼ歩くこと20分、それらしい看板を発見。想像していたよりずっと綺麗な建物でした。

 

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フェリーに付き物の乗船届を提出して発券。宿代兼移動代と考えても2290円は破格ですね。

 

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ターミナルの2階へ。港を一望できます。

奥の赤い橋は聖杯戦争系アニメの最強建造物として名高い例の橋のモデルです。確か知り合いにも聖地巡礼してる人いましたね。

 

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いよいよ乗船。ボーディングブリッジ付きとは恐れ入りました。結構混んでます。

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桟敷の端っことコンセントを確保。これで翌日も安心です。ちなみに私は今でも旅行の際はこのリュックとポーチの組み合わせを使っています(どうでもいい)。

 

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甲板に上がって去り行く神戸の街を眺めます。もともと神戸は夜景の美しい街として有名ですが、海上からの眺めはやはり別格です。これは実際に海風に吹かれて汽笛の音を聴きながら眺めてほしいですね。五感とはよく言ったものです。

 

甲板でPUBGモバイルをちょこっと友人たちとオンラインで嗜み、船室に戻ります。

本当は船の紹介もしたかったのですがあまりにも混んでいたため写真が撮れていません。ご了承ください。

 

さて、リュックを枕にしてさっさと寝ましょう。高松着は明朝5時15分です。

 

長くなった初回でしたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

次回(があるなら)は明朝の高松から。

 

それでは。