お久しぶりです。名古屋駅の新幹線ホームから地下の近鉄ホームまでのタイムアタックは3分18秒、ヒタチです。
約半年というこのブログにしては極めて短期間の失踪期間を経て戻ってまいりました。
季節は冬から春を経て夏に移り、プロ野球はもうオールスターを越えて後半戦。いかがお過ごしでしょうか。今年のオールスターは面白かったですね。山崎投手と床田投手の打撃や両軍のパワーヒッター達による花火大会は見ごたえバツグンでした。
最近暑いですね。心頭滅却しても暑いもんは暑いです。
なぜか今年は年始から寝台特急に乗る機会が非常に多く、そろそろそっちの記事も書こうかなと思っています。
そんなこんなで6日目です。7日目の佐世保入りと九州脱出を睨み、この日はメインルートを外れて佐賀へ向かいます。ある程度北上しておかないと7日目に関門海峡を越えられないので頑張りましょう。
6日目(鹿児島県鹿児島市→佐賀県佐賀市)
↑前回のあらすじ
絶起 8時
全然おはやくないです。ヤバいです。今日は2019年3月22日、午前8時です。
本当は8時半に鹿児島中央駅を発車する列車に乗らないと接続が上手く行かず詰みます。しかもここ(先輩のおうち。詳細は5日目を読んでね)から中央駅まではチンチン電車を郡元でエクストリーム乗り換えした上で30分かかります。
むにゃむにゃしてる先輩を叩き起こして丁重に感謝を伝え、バックパックを引っ掴んで駆け出します。多分聞いてないので後でラインしておきましょう。
こういう時に日頃の行いがSay anything。最寄りの駅に着くとなんとすぐに電車が来ました。これに乗って乗換駅である郡元を目指します。
車内で乗換案内を音速で調べます。なんとか郡元の乗換1分で接続する電車に乗れば8時25分に中央駅に着けそうとのこと。当然ながら推奨の乗り換え便ではありません。
数分の乗車ののち、郡元に到着。階段を駆け上がって別ホームへ急行します。しかしそこには残酷な景色が広がっていました。
跨線橋を激走する私を嘲笑うかのように、乗り換え予定だった電車はスルスルとホームを離れていきます。
「アレに乗らなきゃいけなかった」
よくある話です。大学時代も、高架線を去り行く列車を眺めながら100km離れた友人に携帯で遅刻の連絡を打ったものです。
頭を抱えながら次の電車で鹿児島中央駅に到着。現在の時刻は8時40分です。次の列車は約1時間後、しかも川内以北の乗り継ぎがクソです。今のままでは熊本到着は乗り継ぎ込みで15時過ぎ。鹿児島→熊本の短距離(言っても170kmくらいある。東海道だと東京~静岡くらいの距離)の移動に7時間ほど消費してしまいます。さてどうする。
腹が減っては戦はできない為、2食連続ですがjoyfulに入って作戦会議です。
元々、鹿児島本線(鹿児島〜熊本〜博多〜小倉〜門司港を結ぶ線路)の川内以北の処理については鹿児島入りした時点で悩んでいました。というのも、九州新幹線が2004年(だっけ?)に先行開業した際、新幹線と被る一部区間(八代〜川内間)が利益の観点から第三セクターに転換されています。平たく言えば、元JRだけど今は私鉄なわけです。そう。青春18きっぷは使えません。鹿児島中央と川内の間がまだJRなのはアレです。大人の事情です。
※元JR・・・各地に新幹線が開通したことで、元JRの幹線が全国で次々に第三セクター化している。つまり青春18きっぷは極めて不利になったということ。2024年の北陸新幹線延伸により、米原~直江津間だった北陸本線は敦賀止まりとなり、距離は10年前の13%にまで短縮。残りの87%は私鉄になった為、青春18きっぷで大阪から新潟へ行くには東京を経由する必要が生まれた。北陸圏ではもう青春18きっぷはうんちと化しているわけである。
熟考すること1分。ワープの力を借りることにしました。そうです。シンカンセンです。18きっぷを使用し鹿児島本線で川内まで北上したのちにワープホールに入り、新八代で脱出。そこから再度鹿児島本線に乗車し佐賀を目指します。熊本で軽く観光した上で佐賀には日没直後には入れます。
90kmほど無駄にはしますがこれでも18きっぷの元は2000円弱取れるという....。
納得の課金 ~10時~
9時半発の鹿児島線に乗り、ひとまず18きっぷ圏限界かつ新幹線停車駅である川内を目指します。約50分ほどの道のり。2日間過ごした鹿児島の街に別れを告げ、列車はトコトコと日置市へと入っていきます。対岸に横たわる甑島と甑海峡が望めるかと思いきや、串木野付近までは山間部を進みます。結局川内まで海は見えませんでした。かなしい。
こちらは予め鹿児島中央駅で購入した特急券と追加の乗車券。合計3,550円の課金です。ちなみにこの区間を件の私鉄で行くと鈍行列車で2,670円です。迷った理由はここにもあります。
「どうせ課金を強要される区間なのに新幹線に900円で乗れるんか」
これに尽きます。普通列車で3時間かかるところを新幹線は30分強で走破します。まさに費用対効果が高いというやつですね。タイパ重視のZ世代もこれにはニッコリ。
そうこうしているうちに10時18分、川内に到着。すぐに乗り継ぎの新幹線、さくら550号がやってきます。乗り継ぎは6分。走れ!!!
新幹線ホームに駆け上がるとすぐに接近放送が鳴ります。タイムロス0、乗り換え上手が発動しましたね。10時24分発のさくら号が滑り込んできます。
延岡以来となるリクライニングシートに身を委ね、先程の4倍の速度で流れてゆく車窓に目をやります。新八代まではたったの30分。短い貴族気分です。
10時57分、新八代に到着。熊本県初上陸です。あまりの速さに唖然としてしまいます。ちなみに新幹線に新八代まで乗ると次が熊本なのですが、ここはダークサイドに堕ちたとはいえ18きっぱー。最低限の課金に留めることに。11時10分発の普通列車に乗り換え、ひとまず熊本を目指します。
熊本 ~正午~
八代から30分、熊本までやってきました。時刻は正午。あれだけ出鼻をくじかれたのに正午前に肥後入りできるとは...。シンカンセンは偉大です。資本主義の犬とか言ってすんません。やっぱり資本主義が正義です。わんわん(個人の感想です)。
そして上の写真は熊本駅の白川口駅舎。なんと訪問のたった6日前にオープンした駅舎です。熊本城の武者返しをモチーフにしているらしく、やや反った壁が美しいですね。
あまり長居はできませんが軽く観光と洒落込みましょう。目指すは当然熊本城です。
熊本もまた、松山や高松、広島、鹿児島と同じようにJRの駅は街のはずれにあります。そのため市にはバスや路面電車(3度目!)で移動する必要があります。
この駅舎のすぐ前から路面電車が発車します。上の写真の手前に見えてるのが線路ですね。だいたい7~8分間隔で電車が来ます。熊本城・市役所前駅まで約15分の乗車。
下車して目の前のお城に攻め込みます。これは歴史系ブログではないので熊本城の城史は割愛。気になる人は自分で調べてください()。
城の中に入るとこのような看板が数か所に立っていました。工事の音が遠くから聞こえてきますね。2016年の熊本地震からこの時点で3年経っています。が...。
一部の崩壊した石垣にはまだ手がついておらず、当時の烈震を想起させる爪痕を遺しています。
自然の力の前には人類の建造物など簡単に捻られるということを痛感させられます。しかし、史跡の多くは自然災害や空襲に見舞われながらも有志の強い意思で復元されているものが多くあります。この時点では熊本城はまだ痛々しい姿を見せていましたが、これからの復興に期待したいところです。
※城の復興・・・2021年についに天守閣の修理が完了したが、国指定重要文化財の櫓群や長塀はまだ手付かずの箇所があり、熊本市長は完全復興を2052年と試算している。歴史建造物の復興の難しさが垣間見える。
熊本城の壮絶な姿に絶句しつつ城を後にします。ちなみに市内の中心部では地震の爪痕は微塵も感じません。さすが日本。
なんと寝ぼけていたのか、熊本市内の写真が全くありません。この後博物館に行き、下通の商店街のCDショップとお金が無さ過ぎてはなまるうどんに寄った記憶はあるのですが...。
ひとまず博物館と城の観光という目標は達成した為、本日の宿泊予定地である佐賀市に向かいます。佐賀までは普通列車で2時間半ほどの道のり。のんびり進んで行きましょう。途中、玉名、大牟田、羽犬塚と中規模の街を通っていきます。羽犬塚は駅から少し西に進むと詩人、北原白秋が少年時代を過ごしたことで有名な柳川市があります。いつか北原白秋記念館も行ってみたい。
佐賀へ ~17時~
熊本市から佐賀市へ向かうには、途中の鳥栖という駅で乗り換えが必要です。サガン鳥栖の鳥栖です。17時頃に鳥栖に到着。接続が20分ほどあるので駅を散策してみましょう。ちなみに鳥栖に来るのは2009年以来、10年ぶりです。
鳥栖駅の駅舎です。ちなみに鳥栖駅は1時間に1~3本の特急が行き来し、すぐそばには新幹線の新鳥栖駅が造られるほどの街、そして長崎方面と熊本・鹿児島方面が分岐する交通の要衝です。
なのにこれです。令和を前にして隠す気もない木造駅舎。最高です。
ちなみにこの駅舎、1903年(明治36年)から使用されているようで、壊そうにも文化財としての価値が高すぎて壊せないとのこと。補修・改修を経て末永く使ってほしいものです。
鳥栖駅で電車を待つこと20分、よく考えられた()接続により佐賀方面の長崎本線がやってきます。
10年前に母に連れられて行った吉野ケ里公園を越え、人生初の佐賀市へ入ります。時刻は19時。さすが西国、まだ3月ですが日の長さを感じます。
佐賀には安宿があまり無く、駅前のコンフォートホテルにブルジョワのふりをして投宿します。7泊目にして2度目の個室。バンザイ。
というわけで食事の調達。今から店を探すのは面倒だなぁと思っていた矢先、なんとホテルが自転車を無料で貸し出してくれるとのこと。音速で地元のスーパーに向かいます。
線路を潜って南に自転車を飛ばすこと5分。1キロほど離れたレッドキャベツというスーパーに到着。どうやら九州西北部のローカルチェーンのようです。お腹が減りすぎていたようで、スーパーの写真はありませんでした。残念。
そこでゲットしてきましたお弁当。当然のように2つ。まだ19時台なのに訳のわからん値札がついてます。2つ合わせて500円していません。物価おそるべし...。急いで帰ってきたので付け合わせが飛び散ってしまいましたね。
地図と時刻表とにらめっこしながらウマウマと弁当を平らげ、東京にいる仲間とちょっとだけFPSを嗜んで床に就きます。ちょっとだけ....。
そして気付けば午前2時。もうほんとアホ。3日ぶりのベッドに滑り込みさっさと寝息を立てます。明日は8時ごろに佐賀駅を出発しないと佐世保訪問と九州脱出を両立できません。必死で眠ります。
今日の経路はこんな感じ。九州を順調に北上してきました。18きっぷは別府で使っていないため、6日目にして丸1枚(5日分)を使い切りました。残るは5日。時間の余裕はありますが懐の余裕はもうありません。明日の本州上陸は必須です。
明日は長崎県、佐世保と本州上陸を目指していきます。佐世保は行けたら行きます。
いつも長々とお付き合いいただきありがとうございます。それではまたお会いしましょう。